一本の鍼に心を込めて気を込めて! 小林鍼灸院 ロゴマーク  
院長の写真
治療方針 院長紹介 研究活動 治療院紹介
<< July 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
漢方流スーパードクター!
最近ではテレビなどでよく紹介されている神の手を持つという医師。
スーパードクターとも呼ばれたりしていますが…。
判断力、実行力、技術もさることながら、
10時間を超え、場合によっては24時間、30時間を超えるような手術の中で、
あの集中力と体力もまさに超人的だといつも感心しています。
患者の命を救うという深い使命感、責任感がなければ、
決してお金儲けだけでできる仕事ではないと実感致します。
我々の漢方医学というか、鍼灸の歴史の中でも、
スーパードクターともいうべき、今なお語りすがれている人物も多くあります。
同じ一本の鍼(はり)と一つまみのモグサで患者を治療して行くわけですが、
一見すると単純とも思える治療でありながら、
使う者の経験や技によって自ずと大きな差異が出てくるのです。
漢方には独特の「気」や「経絡」といった概念があり、
また「陰陽五行論」などといった物の見方や考え方があります。
西洋医学とは根本的に考え方が違いますが、分かりやすく言えば、
「病気」ではなく「病体」を診ているのが漢方医学ではないかと思っています。
また物質的なものでなく機能的な部分、すなわち、
「働き」を重要視しているのも漢方医学の特徴です。
風が吹くと髪がなびき、大きな樹も揺れます。
気とは風のようなもので、目には見えなくても働きがあるのです。
我々の鍼灸治療は、いかに経絡の流れをよくし、
この気の働きを改善するかというところにあります。
以前にもこのブログの
病気に対する『条件外し』と鍼灸治療!
の中でも述べましたが、
鍼灸治療の最大の特徴は未病を治するところにあります。
古典には、上医は未病を治し、下医は既に病んだ者を治す、とあります。
体の不調を整え健康を保ち、発病させないための治療、
ここにこそ漢方医学、鍼灸治療の真骨頂があるといえます。
ではここで、我々鍼灸師に語り継がれている中国の逸話を一つ。
我々が現在も勉強して臨床に役立てている古典である
『難経八十一難』を編纂したとも言われている扁鵲(へんじゃく)についてです。
中国の名医の代名詞ともいうべき扁鵲は、
春秋戦国時代後期(紀元前200年頃)の人と言われています。
多くの古典に登場しますが、一番詳しいのは、
司馬遷の『史記』扁鵲倉公伝にあります。

ある時、噂を聞きつけた斉の国王の桓侯(かんこう)が扁鵲を宮廷に招きます。
扁鵲は王に謁見するなり、
「王様には、皮膚に病気を持っているようですから、
今のうちに治された方がよいでしょう」と忠告しました。
国王は、病気でない者を治したとして功績とするのであろうと想い、相手にしません。
5日後、2回目の時、
「王様には、血脈に病気がとどまっています。
治療なさいませんと病気はさらに深く入り込みます」と忠告します。
しかし桓侯は、何処も悪くないと想っているから受け入れることをしません。
さらに5日後、3度目の時、
扁鵲は、「病は胃腸に入りました。早く治さないと大事に至ります」と言いました。
それでも桓侯は返事すらしません。
さらに5日後、4度目の時、
扁鵲は桓侯に会うなり、一言も話さずに立ち去りました。
使者が理由を尋ねたところ扁鵲は、
「」王様の病はもう治りません「と。
「病気が皮膚にある段階では、煎じ薬や膏薬で治せました。
血脈に病気が入った段階なら、鍼や石針で治せました。
胃腸にあるうちは酒醪(しゅろう)で治せました。
しかし今日診たところ、病気は骨髄にまで至ってしまいました。
骨髄まで入りますと神様でもどうすることもできません」と。
それから5日後、桓侯は身体が痛み出し動けなくなりました。
側近はあわてて扁鵲を捜しましたが、もう国内にはその姿はありませんでした。
その後まもなく、桓侯は死にました。
扁鵲の名は天下に聞こえるようになりました。

この逸話が物語っていることは、
扁鵲という名医の診察力、診断力の素晴らしさは勿論ですが、
病気になってからでしか病院に行こうと思わない人たちや、
日頃からの病気に対する養生がいかに大事であるかを言っているのではないでしょうか。
私たちも色々と考えさせられる話であると想います。
我々鍼灸師も「医者の不養生」とならぬよう自己治療をしっかりしながら、
病苦に悩む人たちのために最善の治療ができるよう努力していかねばと想っています。
コメント
コメントする









 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
 
 
RECENT TRACKBACK
PROFILE