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漢方鍼医会第21回夏期学術研修会「愛知大会」を振り返って!
もう9月も半ばを過ぎて朝晩はめっきり涼しくなってきましたね。
昨日は滋賀漢方鍼医会の月例会が行われました。
愛知の夏期研の熱も冷め止まぬ中、検収班では邪論の治療に皆真剣に取り組んでいました。
ここに来て滋賀の先生も邪論の治療に興味を持ち始めたというのか、その治療の切れ味に魅了されてというのか、本格的に取り組み始めた先生が増えたように想います。
ではその漢方鍼医会夏期学術研修会愛知大会での内容等を振り返りつつ書いてみたいと想います。
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過日、8月28日(日)・29日(月)の2日間、ホテルサンルートプラザ名古屋で漢方鍼医会第21回夏期学術研修会愛知大会が開催されました。
主題「漢方はり治療の展望「、副題「気血津液論、邪論、剛柔論などいかに臨床応用するか「ということで始まりました。
全国から130名近い人が参加され、滋賀漢方鍼医会からも13名の先生が参加することになりました。
開会式では森野弘高実行委員長から、台風10号の影響を考慮し、明日2日目の研修は午前のみで切り上げるという苦渋の決断をさせて頂いたとの話から始まりました。
最悪の状況を考慮しての決断ですから、少し残念な思いはありましたが、その分内容を凝縮した形で指導に当たられた先生も受講した我々も普段以上の集中力をもって研修に当たることができたように想います。
午前は、『季節の中での邪の治療へ』との演題で隅田真徳先生による会長講演がありました。
本会ではここ数年精気論による治療だけでなく、邪論による治療も取り入れようと本腰を入れ始めました。
邪論の治療では旺気している臓に邪があたるケースが多い、あるいはその季節の邪(時邪)が治療の対象となるケースが多いという観点から実践するようになってきています。
会長も述べられていましたが、その季節論も六気(運気論)だけでなく従来会が基準としてきた五季(難経)も研究の対象として取り組んで行こうとのことでした。
当日8月の28日は、四の気で対応する臓は脾になり、五季では立秋を過ぎて秋となり対応する臓は肺となります。
私は実技研修では研究部の3班として参加しましたが、3時限目の邪論の研修ではこのような形で当日は脾と肺を中心として邪を診ていくことが多かったように想います。
実際の治療では数脈の場合はその陽経から、また浮脈が強い場合も陽経から手を着けるというケースが多く、さらに浮や数脈の場合、陰経であっても陽性の強い心や心包、また肺を触ってうまく行くこともあることを学びました。
勿論診察・診断は、脉診や腹診、尺膚診などを総合的に診ていきますが、この際の診察はいずれも皮毛を触るようなかなり軽いものです。
特に菽法脉診の三菽の位置は重要となります。
最初は三菽の位置で脉が指に触れないと不安になって自然と脉を探しに指を押し込むことになってしまいます。
このような癖を付けてしまうと正しい脉診をすることはできません。
1時限目の基礎修練のところでは、これら菽法脉診の三菽の指の当て方、位置確認を徹底しています。
また今回は基本刺鍼において、邪を瀉すのにまずは取穴したら経絡に垂直に衛気を指で払ってから営気の手法を行うということを徹底されたように想います。
2時限目は気血津液論による研修の時間でした。
私は今回の夏期研を切っ掛けとして従来の気血津液論を中心とした治療から邪論の治療へと大きく転換することになりました。
性格に言えばもう少し前から邪論の治療に取り組んでいましたが、この夏期研でかなり方向性が定まったということでしょうか。
現在私の治療室では邪論での治療が9割、気血津液論の治療が1割くらいだと想います。
以前とは大きく変わってしまいました。
しかし、今回の研修に参加して、気血津液論と邪論とを混同して混乱しておられる人が少なからずおられるということを感じました。
これは2日目のパネルディスカッションの班の中でも話したことですが、気血津液論で治療してうまくいっているのなら無理に邪論で治療する必要はないと想います。
どうしようもない臨床の壁にぶち当たった時、その時に一つの方法として邪論での治療を考えればよいのではと想います。
これは私も迷ったから解ることですが、気血津液論と邪論とは全く別物として頭を切り換えてやらないとうまく行かないような気がしています。
パネルディスカッションの中でもフロアとパネラーとの話がなかなかかみ合わなかったのはその辺りを混同しているか、全く切り分けて考えておられるかの違いではないかと感じました。
邪論については、やはり脈状診のレベルを向上させること、それを補助するものとして腹診や尺膚診、問診があります。
いかにそれらを臨床の中で総合的にとらえ治療効果を上げうるかだと想います。
邪論の治療がいくら素晴らしいと言っても、我々は仕事としてやっている限り治療効果を出せなければそれは本末転倒ですから…。
とにかく今回の夏期研でも多くの先生から沢山の刺戟を受けました。
大阪の森本茂太郎先生がおっしゃられていましたが、「邪論の治療は難しくない。教え方の問題でしょう」と。
漢方鍼医会には多くの素晴らしい先生がおられます。
長年苦労して得た知識や技術を惜しげもなく後輩に公開し指導してくださいます。
漢方医学はあまりにも広大で一人が懸命に勉強したとしても得るものはほんの僅かなものでしょう。
一緒に勉強する仲間が一人でも多く、互いに意見を述べ研究、検証、研修というステップを踏みながら進めていくなら、はるかに短時間で多くの物を得ることが可能になると想います。
ひょっとしてこのブログを見てくださった鍼灸師の先生、または鍼灸治療に興味を持たれて鍼灸学校に通われている学生の方々、一度漢方鍼医会の研修会に参加してみてください。
鍼灸に対しての見方、考え方が変わるかも知れません。
少なくとも色々刺戟を受けることは間違いないと想っています。
今回は邪論のことにしぼって書かせて頂きましたが、気血津液論は我々の治療の根本になるものだと想っています。
どれも疎かにはできません。
我々も素晴らしい病苦除去の実力ある臨床家を目指してこれからも切磋琢磨してがんばっていこうと想います。
最後は何か漢方鍼医会のアピールになっちゃいましたけど…。(笑)
今は季節の変わり目でもあります。
皆さん、どうか時邪にやられないように元気でこれからのよい季節を楽しくお過ごしください。
では、またどこかで。

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